心色
雑多な街も、田園風景も、オフィス街も、観たままの形状や色彩が屈折する。
迷子になった光は足元の階段で歪んだ虹の自己主張をする。
空に虹を探しても、語り掛けてくれる風景が、何も告げず口を閉ざしてしまう。
ビルの隙間から微かに当たる陽射しでさえ、今は刺々しい。
突き上げてくる感情は蓋をしてもすぐまた顔を覗かせる。
一様に合唱される呪文に一吹きしたなら、装飾音が駆け巡り快哉である。
彫刻のオブジェは賛美歌を与え、絵画はケント紙をわたしに差し出す。
わたしは拱手し、暫くして雲際へ身体を隔離する。
わたしは風解するまで、少しの間糊塗し、荏苒と毎日を生き長らえよう…。

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